独逸支部.20 ファゼナハト – 無外流居合兵道 頌寶塾

「逍遊録」

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独逸支部.20 ファゼナハト

皆さんこんにちは。今年のマインツは暖冬でした。日本では大雪が降ったそうですが如何お過ごしでしょうか?

今回で「ドイツ支部便り」も記念すべき第20回目となりました。過去の記事を読み返したところ、大変な事に気がつきました。なんと!マインツの名物とも言うべき「ファゼナハト(Fassenacht)」についての記事が無いではありませんか!

そこでタイミングもばっちりですので、今回はこのマインツ名物についてご報告いたします。

皆さんは「カーニバル」をご存知だと思います。この言葉を聞くとサンバのリズムや「リオのカーニバル」を連想する方もいるでしょう。ドイツ国内では特にマインツ、ボン、ケルン、デュッセルドルフなどライン川流域で盛り上がります。地域によってお祭りの呼び名が違ったり、掛け声が違ったりして、郷土色が出るお祭りと言えるかもしれません。

この「カーニバル」をマインツでは「ファゼナハト」と言うのです。「ファゼナハト」のクライマックスは「バラの月曜日(Rosenmontag)」と呼ばれていて、今年は3月3日でした。起源は断食の前夜祭に由来するなど色々な説があるようですが、実のところよく分からないそうです。とにかく仮装して山車のパレードを見て、飲めや歌えやの大騒ぎをします!そして山車から飴やチョコレートなどを観客に向かって投げますから子供はもう大喜びです。その際に掛け声で「ヘラウ(Helau)!」といいます。

それでは写真と共に「バラの月曜日」の模様をお伝えしましょう。


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出発直前の山車を発見しました。パレードを彩る軍楽隊も準備万端の様子。気合が入っています。

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お!音楽が聞こえてきました。いよいよ行進が始まったようです。口々に「ヘラウ!」と叫んでいます。まずは吹奏楽団、その後に山車が出てきました。子供たちも屋根に上って眺めています。

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こちらはマインツを代表する「ファゼナハト」の団体です。さすがに山車がとても大きいです。一年に一回のこの日の為に楽隊などが練習に練習を重ねて来たのでしょう。見ているこちらも背筋がシャンとなります。他にも消防隊やサッカーなど様々な団体の山車が参加しています。

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出ました、マインツ「ファゼナハト」に無くてはならない「シュヴェルコップ(Schwellkopp)」。「頭でっかち」とでも訳せば良いのかもしれません。写真からこの頭の大きさが伝わるといいのですが・・・。人間一人でこれを被って歩くなんて、本当に体力がある人たちなんですね。感心してしまいます。この被り物のあごの下に穴が開いていてそこから人の顔が見えます。なんだか、気難しそうなイメージのあるドイツ人ですが、こんなお茶目なところもあるのです…。そして再び軍楽隊が登場、今度は打楽器が中心です。

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山車と軍楽隊のパレードが終わると観客は街へ繰り出します。そこで引き続き飲めや歌えやの大騒ぎ、と思いきや…おや?警察がやって来ました。事件でしょうか?ところが続いてやって来たのは清掃隊です。ご覧下さい、ゴミだらけです。まずはデッキブラシを使って大まかに清掃し、その後で細かいゴミをエアを使ってあっという間に片付けてしまいます。そして最後はもとの様に綺麗な道になりました。

羽目を外した後ですぐに清掃をするなんて秩序を重んじるドイツ人の片鱗を見た気がしました。

それでは、またお会いしましょう。

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追伸

マインツは日ごと春になっていきます。家の近くで膨らみかけたアーモンドの花を見つけました。

text by 間心(頌寶塾ドイツ支部長)
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