独逸支部.19 合同稽古会再び
マインツは秋らしい日があまり無く、一足とびに冬が来たような天気が続いていますが、皆様さんはいかがお過ごしでしょうか?
「独逸支部16. マインツの秋」でご紹介した居合道団体から、再び合同稽古会のお誘いを受けました。今回はこの模様をお伝えしたいと思います。
マインツから西へ車で1時間ほど、この山の向こうにヨーロッパを代表するワインの生産地が、モーゼル川流域に広がっています!橋の上から川を臨みます。モーゼル川はフランスから隣国ルクセンブルクを通り、やがてドイツのライン川に合流します。稽古会の行なわれるクレーフはすぐそこです。
ここが町の入り口です。観光にも力を入れているのでドイツの町らしい雰囲気になっています。さすがはワイン所!いたるところにワイン蔵があります。吸い込まれそうになるのをぐっと堪えて稽古会場へ向かいます。
再会の挨拶を済ませてから、早速稽古をはじめます。
刀礼の後、基本形、そして「横一文字真向」と「逆袈裟真向」を中心に前半の稽古が進んでいきます。
我らが頌寶塾からは既におなじみの(?)フィリップさんと新人のTさんが参加。他のドイツ支部塾生たちは風邪や仕事で今回は残念ながら不参加です。Tさんはマインツ大学で博士論文を執筆中で、居合道をはじめてわずか2ヶ月。居合刀を使っての稽古は初めてのため、終始緊張した面持ち。「真向に切り下ろした後で居合刀をコントロールするのがとても大変!」と話してくれました。
基本稽古の後は形です。最初に全体の動きを頭に入れた後で、抜刀する方向、突く位置など少しずつ細部にわたって指導します。皆さんとても熱心で、自分達が納得いくまで何度でも挑戦していました。
クレーフは山間部にあるため、天気の変化がめまぐるしく、激しい雨が降ったかと思えば、眩しい晴れ間が広がったりします。その度に、道場の窓から入る光も、暗くなったり明るくなったりしました。
「立ち方」や「どの様に柄に手を掛けるのか」等にも話が及びました。「まっすぐに立つ」と一口に言っても、人によって、また文化によってイメージが違うため、「立ち方」もまちまちになってきます。このような事を通じて参加者が少しでも何かを感じてくれたら、これに勝る喜びはありません。
最年少の彼はまだ高校生です。学校があるため週末にしか参加できませんが、黙々と稽古に打ち込みます。
稽古会も終わりに近づいてきました。最後にもう一度全体を通してから、6時間の稽古を終えました。
みんなで記念撮影です。口々に「疲れた~!」の声が。それでもこんなにいい笑顔!
最後に「いつも忍耐強く稽古をつけてくれてありがとう。是非また、稽古をつけて下さい」と声をかけてもらいました。
次に一緒に稽古できる日を楽しみにしつつ、マインツへと帰りました。