独逸支部.3 日本滞在記 秋編 – 無外流居合兵道 頌寶塾

「逍遊録」

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独逸支部.3 日本滞在記 秋編

さて、私の日本滞在記。今回は秋編です。

滞在期間は平成19年の10月上旬。秋学期が始まる直前という関係でわずか2週間でした。

日本に着いてみると、春の帰国から半年しか経っていないというのに、なぜかあらゆることが懐かしいのです。2年ぶりに帰るとそれほど懐かしさを感じず、半年ぶりに帰ると妙に懐かしいなんて、人の気持ちというのは何だか不思議なものだなあ、なんて感慨に浸っていると・・・それもそのはずです。考えてみれば日本の秋は5年ぶりなのです。今年の秋は暖かい天候だったため残念ながら紅葉を見る機会はありませんでした。でもおだやかな秋でとても満足しました。皆さんは日本を知らない人に日本の四季の中でどの季節をお勧めしますか?私は春か秋をお勧めしています。

前置きはこれぐらいにして、早速稽古の模様をお伝えしたいと思います。

今回の稽古の目的はなんと言っても、春に出された宿題を私がどう消化したかを先生に見て頂くことでした。消化不良のまま、さらに悪い癖がついているか、それとも全てを一度に改善できずとも、良い傾向にあるのか・・・。

前回の稽古で抜刀の際に前かがみになることと、腰がぶれることをご指摘頂いていたため、ドイツに戻ってからはこの二点を重点的に稽古していました。

ところが稽古が始まると前回以上に足運びに対しての厳しいご指導。体重移動に気を配りながら歩むのですが、まだ悪い癖が抜けません。その証拠に柄頭が風も無いのにぷらぷらと・・・。恥ずかしい限りです。

また居合だけでなく短杖、特に今回は体捌きについて稽古をつけて頂いたのですが、ただ動きの連続にしか注意を払わず、「なぜその様に動くのか」に思いを馳せなかった自分が恥ずかしくなりました。

いつもの通り非常に密度の濃い稽古でした。

短い滞在期間で、他の塾生の皆様にご挨拶できないのが残念でした。

あわただしく日本を離れた後、先生からメイルを頂きました。「成長の後が見られる」「ドイツで今後も精進するように」そして「1年半後の帰国を楽しみにしている」ことなど遠い国で頑張っている私には嬉しいお言葉であふれていました。そうです。次回の帰国は2009年の春を予定しています。これからもここドイツで精進していきます!

連の一刀目野送りの理合

【連の一刀目】

耳から目にかけた角度で抜刀することを意識しすぎると動きの中で抜刀することを忘れてしまい、どうしても唐突な動きになってしまいます。それをどうにかして身につけようと思っているのですが・・・。にっちもさっちもいきません。

【野送りの理合】

木刀を使って野送りの理合。頭の中で動きを描いた「つもり」になっていたことを身をもって知った瞬間です。自分が勝手に描いたイメージはそう簡単には消せませんが、教えて頂いた動きがある感覚として記憶に残りますので、それを頼りに今後も精進していきます。

起こりを消す居つかない

【起こりを消す】

ここでは「動きの起こり」を消すことに重点を置いて見て頂きました。柄に手をかけた後に立ち上がっていくあの動きです。

【居つかない】

立つこと、それもしっかりと立ちつつ「居つかない立ち方」。難しいことこの上ないです。少しでも押されるとよろよろとしてしまう・・・。でも踏ん張ってはいけません。

text by 間心(頌寶塾ドイツ支部長)
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