独逸支部.24 ベルギー合同稽古会・前編 – 無外流居合兵道 頌寶塾

「逍遊録」

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独逸支部.24 ベルギー合同稽古会・前編

皆さんご無沙汰しております。マインツはとても暑い日が続いています。
ここ数年は気温が上がるだけではなく、降水量も増え、今夏も湿度が高く蒸し暑い毎日です。
さて、今回は春に行われたベルギーでの合同稽古会の模様をお伝えします。
きっかけは10年ほど前に知り合った方からの一通のメールでした。
「空手、柔道、柔術、ブラジリアン柔術、エスクリマの合同稽古会があるので、居合道を教えられる人を探しているんだけど、どう、やってみない?参加人数は不明、場所はベルギー。アントヴェルペンの近くのモーツェル」との事。
急な話ですし、交通手段の問題もあります。私が住んでいるマインツからモーツェルまでは約400km、とは言ってもせっかく声をかけてもらったのですから参加する事にしました。
幸いにもドイツ支部の塾生フィリップさんが車を出してくれる事になりました。天気にも恵まれ、いざ出発!

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途中でモーゼル川を渡りました。この川を上ると支部便りでもお馴染みのトラーベントラーバッハにたどり着きます。詳しくは「支部便り.23」をご覧ください。モーツェルまで残り300kmほどの道のりです。国境を越えドイツに別れを告げ、一路ベルギーへ!

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さて、こちらが稽古会の開催される道場です。柔道場が二面もある広い建物で、ほとんど自分達で施工したそうです。挨拶もそこそこに早速、稽古が始まりました。参加者はフランス、ベルギー、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、フィンランド出身と国際色豊かです。稽古での言葉は苦手な英語かと思い、気が重くなりましたが、楽しみにしている顔を見ると泣き言は言えません。
様々な武道経験を持つ人達ですが、そのうち居合道の経験者はわずか3人ほど。他は木刀を握るのも今日が初めてという人ばかりです。柄の握り方から丁寧に説明しました。

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ところが、木刀を振ってもらうと気付いた事があります。柄の握り方を何度も説明してもその通りに握らないのです。
「説明の仕方が悪いのかな」と自信を失いかけた時にある参加者が「彼らはフランス人で英語もドイツ語もここで話されるフラマン語も話せません。ベルギー育ちの私達は、ドイツ語も英語もフランス語もわかるから安心してください。ただ子供は外国語は苦手です」と教えてくれました。
そこで「フランス人が講師の時には、稽古はフランス語なの?」と私が聞くと、「そうです」と答えてくれました。それなら私も「日本人である私が日本語で稽古をしても構わないはずだ」と思い日本語で稽古をする事にしました。

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稽古が進み、足を運びながらの真っ向切りに挑戦です。切った後の両手のバランスや後ろ足の伸ばし方に戸惑っているようですが、一生懸命に取り組む姿勢には頭が下がります。子供達も熱心に稽古に参加してくれました。
稽古会が終わってから参加した人達と話す機会がありました。
私が「稽古が日本語で苦労した?」と聞くと、大抵の人が「日本語はまったく分かりませんが、何が正しいのか、どの様に木刀を握ったら良いのか、どう立つべきかといったような具体的な事は視覚を通すので分かりました」と答えてくれました。

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皆で楽しく話し合いながらベルギービールをいただきました。銘柄に応じて様々なグラスがあります。美味しいので沢山飲んでしまいました。後で気付いたのですが、ベルギービールのアルコール度数は軽く8%を越えています。中には10%を越えるものもあるのですが、時すでに遅し・・・。その結果、何が起きたかはご想像にお任せします!

次回はベルギー編第二弾としてアントヴェルペンの街並みやモーツェルの星型要塞などをお伝えします。

text by 間心(頌寶塾ドイツ支部長)
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