独逸支部.29 2022年を振り返って
皆さんご無沙汰しております。
前回の支部便りが2021年の8月。早いもので丸2年が過ぎました。今回はその間に起きたことを振り返りながら色々とご報告したいと思います。
暗く陰鬱な日々が続くマインツの冬ですが、2022年1月は比較的天候に恵まれていました。ある日、ライン川へ散歩に出かけてみると、素晴らしい朝日と出会いました。そのまま気持ちよく旧市街地まで足を延ばしてみると、大聖堂前の広場には、前年のクリスマスマーケット用のイルミネーションが残っていました。このマーケットは2020年は中止、2021年に再開し、待ちわびていた多くの人々が訪れました。
1月はまだまだ寒くコロナ感染者も出ていたため、町のあちらこちらにコロナテストセンターが設置されました。「検査料は無料、15分で結果が出ます」と書いてあります。
さて、春になると気温も上がり花も咲き始めます。白い花が満開だったので思わず写真に収めました。
そして、2020年の春から中止になっていた、ドイツ語の対面授業が再開されるとの朗報が!
もちろん、「マスクを着用し対人距離をしっかり保つこと」が決められており、緊張の中での授業です。ところがキャンパスに足を踏み入れてみると、人影もまばらです。
実は学生達のアルバイト先であったカフェやレストランがコロナの影響で休業したため、学費を捻出できなくなり、大勢が学業を断念せざるを得ない状況に陥っていたのです。そのうえ留学生の数も減りました。私自身コロナでいくつもの仕事を失ない、どうやって糊口をしのごうか思案した期間があったので、身につまされる思いでした。私は日本留学を希望する学生に推薦状を書いたり、ドイツに留学している学生にドイツ語の授業をしているのですが、彼らが外国で経験を積む機会がコロナのせいで無くなってしまったことがとても残念です。
授業の後で、家の近くにあるビアガーデンでヴァイツェンビーア(白ビール)を飲んで緊張を解きました。お店に入ってビールを注文したのは、2年ぶりのことでした。
その秋から冬にかけてはコロナだけではなくインフルエンザもニュースになりました。その頃は、湿った冷たい空気のためか霧がよく出たのが印象に残っています。
そんな重苦しい日々の中でも、たまには青空が広がることもあり、思い切ってモーゼル川の方まで遠出してみました。谷をゆっくりと流れていく川を眺めながら「2023年はパンデミックが終わり稽古の報告ができれば良いなあ」と思いました。
Photo & Text by 間心(頌寶塾ドイツ支部長)