独逸支部.30 日曜日の稽古
皆さんこんにちは。
今回は感染対策の緩和後、久しぶりに行われたマインツでの稽古の様子をお伝えします。
さて、ドイツでもコロナの感染予防措置期間中は体育館の使用が禁止になりました。ならば野外稽古でもと思ったのですが、二人以上で集まることも制限され、また仕事上の理由から、人と会うことを自粛しなければならない塾生もいたので、思うように稽古ができない日々が続きました。
今年に入ってようやく予防措置が解除になり、以前のように稽古ができるようになりました。しかし、一難去ってまた一難。日曜日にいつものように体育館へ向かうと、「水漏れのため立入禁止」との貼紙が!急遽、屋外で稽古をすることになってしまいました。漏水工事終了の目途が立たず、その間稽古ができないのはつらいので、市の関係者に交渉をしたところ、マインツ市内の別の体育館が使えることになりました。
この日は夏休みの休暇シーズンだったこともあり参加者は3名です。いつものメンバーに加えて、体験稽古を希望するDさんがやって来ました。Dさんは事前に服装や注意事項など様々な質問をしてきたので、とても几帳面な印象を受けました。
朝10時、静かな時間帯に稽古は始まります。「眠い」「身体が痛い」とこぼしていた塾生達も、やがて集中してそれぞれの課題に取り組みます。
初めて木刀を手にするDさんも、一生懸命素振りをしています。「木刀を止めようと思っても上手くできない」「とりわけ歩きながら木刀を振ると自分がどう歩いていたのかわからなくなって混乱する」と言うので、「刀が敵にあたるタイミング」と「踏み込んだ足のタイミング」を合わせるようアドバイスをしました。
基本の後で形を稽古しました。塾生の一人は「自宅等で稽古をしていても、やる気を持ち続けるのはなかなか難しい。こうして皆で稽古をするとお互いに刺激し合えるので楽しい」と充実した様子でした。塾生の喜ぶ顔が嬉しい一方で、私自身がそれに見合う進歩を遂げているのか複雑な気持ちになりました。長沼塾長から教えて頂いた技を、ドイツの塾生達に自信をもって伝えるためにも、一刻も早く帰国をしたいという思いが強くなりました。
体験稽古のDさんに「一緒に形をやってみますか?」と聞くと「コツがつかめそうだからもう少し今やった練習を続けていても良いですか?」との事。黙々と基本を繰り返していました。稽古の始めに比べてだいぶ動きが良くなったように感じます。
いつもの体育館が使えないと分かった時には、「コロナがやっと一段落したのに今度は水漏れか!」と肩を落としましたが、各方面に交渉して何とか稽古に漕ぎ着けました。その苦労は仲間と共に稽古できたことで吹き飛びました。今後も楽しく稽古を続けていきたい、そして来年こそは、一時帰国の際に長沼塾長からご指導を受けたい。この目標達成には解決しなければいけないことがたくさんありますが、その辺りも含めてまたいつか皆さんにご報告致します。
Photo & Text by 間心(頌寶塾ドイツ支部長)