2014冬 静岡合宿
支部長のNさんが、この春の転勤で静岡を去ることになりました。
約8年前、彼が東京から転勤してきて、たった一人で始めた支部道場。ゼロから居合道参段位が3名育ち、このたび、そのうちの一人である2代目S支部長に後を引き継ぎます。S支部長は生まれも育ちも静岡の人です。
地元では水鴎流が有名ですが、無外流もこうして静岡の人に伝わって仲間が増えていけば、とても嬉しいことですね。
寒い曇天の東京を出発し、2年ぶりの静岡合宿の始まりです。
行きは渋滞も無く、高速道路を順調に飛ばします。
徐々に近づく丹沢山系は、まるで東北の山々のように雪に覆われ、富士山も雲の中。海老名SAの広い駐車場は、先日の大雪が掃き寄せられて、あちこちに山を作っていました。
静岡市の体育館に到着し、車を降りると、やはり東京よりも暖かです。
普段は静岡と東京と離れていますが、こうして一緒に稽古をしてみても日頃の距離感は無く、そこに支部長の苦労を感じます。「保ちながらレベルを上げていく」というのは大変なことだと思います。塾長も言及していましたが、もちろん静岡支部生一人一人の意気の高さ抜きには語れません。
稽古の後で、昨年の12月に審査を受けた上段位者の再演武と、免状の授与がありました。
夜は赤提灯が良い感じの居酒屋にて懇親会です。
牛スジが美味い”しぞ~かおでん”に、生しらすなどの新鮮な刺身、黒はんぺんのフライ、サンチュで包んで食べる焼肉も出て満腹になりました。
そして、N支部長に記念品とメッセージカード、御餞別などが手渡されました。
翌日は試斬講習会です。
会場は新しい立派な武道館でした。静岡市内には、こうしたスポーツ施設が複数あり、とても充実しています。
「素振り」と「演武」と「試斬」──この3種の刀の振り方が同じであれば、それは居合道の究極かもしれません。ですがまずは、自分がそれぞれに違う振り方、体の使い方をしているのだということに気づくことが重要です。試斬を稽古することの意味はその辺りにありそうです。
最後に合宿のまとめとして居合の稽古をして、二日間の合宿を終えました。
次に会う日まで
互いに稽古に励みましょう!
ありがとうございました。
帰路の高速道路はいつもの渋滞に事故が重なり、合宿史上最低のノロノロ運転になりました。
渋滞直前に休憩した足柄SAは、東名では最も富士山の眺望が良いはずなのですが、結局この日も姿を拝むことは出来ませんでした。
けれども、重く垂れ込める雲の向こうに静かに聳える霊峰と、半ば雪に埋もれた駐車場が夕闇に包まれていく様子は、今までにない合宿の風景として心に残りました。