2014 第6回 塩川杯

平成26年3月18日 塩川寶祥照成先生が逝去されました(享年88歳)

無外流居合兵道と神道夢想流杖道において塩川先生の後を継がれた岡崎寶祥寛人宗家は、今大会プログラムの挨拶文の中で、塩川先生のお人柄や我々が受けている恩恵に触れ、『歩み絶やさず』というタイトルで次のようなことを述べておられます。

―私たちは、先生より授かった数々の恩恵を我がものにすることなく、後世に伝えていくという責務を自覚せねばなりません。技の一つ一つには歴史があり、塩川寶祥先生をはじめとする多くの先師達の心が込められています。本大会は、互いの競い合いだけが目的なのではなく、「継承」というテーマに向かっての取り組みであることを参加者全員に理解していただきたいと思っています―

同流他団体の人間が一堂に会する塩川杯が、「正しく継承していく」という意味で重要な大会であることは、本トピックスの「第2回塩川杯日本古武道大会」にも書きましたが、古武道を学ぶ者が日頃から心しておくべき事柄です。
けれども、武術を武道として学ぶことの難しさ。誰にでも出来るものではないのもまた事実です。

形を覚えると慣れが出て我流に陥りがちですが、ここで沢山の人達の演武を見学し、己の技量を客観的に見る目を養うことも、「正しい継承」に近づく一歩になるのです。

■11月29日(土) 講習会・審査会・懇親会■

朝から夕方まで講習会の時間はたっぷりあるのですが、この後で審査があると思うと、とても短く感じます。普段はお目にかかることの無い他団体の師範に稽古をつけて頂けるのも新鮮で、勉強になります。

夕方遅く、審査会が始まります。遠方に住んでおり、年に一度のこの日しか審査を受けられない人も居て、緊張のひと時です。

さあ、夜はお楽しみの懇親会です。同じ流派を学ぶ、みんな仲間です!
明日は大会です。あまり飲み過ぎないで下さいね。


■11月30日(日) 塩川杯■

故塩川寶祥照成先生に全員で黙祷を捧げてから、大会が始まります。

普段危険な仕事に就いている人も、家族の死を看取ったばかりの人も、痛みを押して臨む人も…様々な事情を抱えながら、それぞれの思いを胸に演武をします。

今年は杖道の選手数が過去最多でした。

ロシアから3名の選手が来日しました。午後の部の師範演武の際に、琉球古武道棒術の演武を披露してくれました。

【頌寶塾 成績】
■居合道■
級外の部…優勝・準優勝・3位
級の部…優勝・準優勝・3位
初段の部…優勝・準優勝
参段の部…3位

■杖道■
級の部…準優勝・3位
初段の部…3位

【出場団体:無外流居合道連盟】
寶祥会
心伝会
陽山会
不動智古武道の会
頌寶塾

秋の最後の二日間。寒くて待ち時間が大変な年もあるのですが、今年は気温が高めで、動くと蒸し暑く感じるくらいでした。
 大会が無事終了し、12月に入ると季節は一気に冬を迎えて寒くなりました。一年後にしか会えない人達が居ると思うと少し寂しい気もしますが、ここで再会することを楽しみに、稽古に励みましょう。