2015 第7回 塩川杯

塩川先生の追悼大会から早くも丸一年が過ぎました。

繰り返される岡崎宗家のお言葉に「正しく継承していく」ことの重要性があります。
人はそれぞれ資質が異なります。同じことを習っても、受け取り方も同じとは限りません。
無外流居合兵道塩川派が一堂に会するこの大会は、自分の形が受け継ぐべき形から離れていないかを確認する場でもあります。

古武道は、先達が研鑽し、代々の宗家が練り上げてきた形を伝えていきます。
自己流・自己満足に陥らず、稽古を怠らず、受け継いだものを変えずにそのまま後輩たちに伝える努力をすることは、指導する者達のみならず、全員が自覚しておかなければならない流派の基本理念です。

■11月28日(土) 講習会・審査会・懇親会■

大会の前日は講習会と審査会です。宗家から、形を正しく伝える事の重要さを学びます。

他の審査会と違い、広いメインアリーナで連盟の大勢が注視する中での演武という事もあり、緊張感も高まります。こういう場では、いつもの力を発揮することは難しいものです。それだけに、体が自然に動くように、日頃繰り返し稽古をしておくことが必要です。


前年に引き続き、ロシアの皆さんとも親睦を深めます。代表として挨拶をしてくれた女性は、家族のように親しく交流できることが嬉しいと言ってくれました。
もちろんこのあとは二次会三次会と夜は更けていき、会津土産の蹴とばしと、持ち寄った高級酒で締めくくります!

■11月29日(日) 塩川杯■

さて、いよいよ悲喜こもごも、年に一度しかない大会のはじまりです!

種目も前年から増えた琉球古武道が定着し、今年は居合道・杖道・空手道・棒術の4種でした。

先日の審査で失敗した点などに注意し、修正して臨みます。

授賞式の様子。受賞してもしなくても反省点はいろいろあると思います。それを日頃の稽古に活かせることが競技に出場することで誰もがもらえる参加賞です。


杖道では後発の頌寶塾ですが、ようやく段位者が増えてきました。

居合道と並行して学ぶことでわかることがたくさんあります。
他人の形を見ていると、居合で出ている欠点が杖でも出ていることに気が付きます。その時に、自分も同様であると考え、注意することが必要です。
また、体捌きや手の内、振り方など、居合と共通している部分に気づいたり、はっきりと体の使いを切り替えなければいけない部分もあります。
杖道は敵(太刀持ち)が目の前にいて打ち合うので、攻撃や間合いに実感があり、見ている方にも手ごたえが伝わります。でも居合道はそれら一連の事を全てたった一人で演武しなければなりません。
改めて居合道というものの難しさを感じました。

塩川杯もまだまだ若い大会ですが、順調に回を重ね、選手数も少しずつ増えてきました。
日本でも有数の権威ある古武道の大会として、誰もが「塩川杯日本古武道大会」の名前を知るように今の我々一人一人が一生懸命に稽古を続けることが最も大切なことなのです。

【競技種目】

■無外流居合兵道
■神道夢想流杖道
■糸東流空手道
■琉球古武道 棒術

【頌寶塾 成績】

■居合道■
級外の部…優勝
初段の部・・・3位

■杖 道■
級外の部…準優勝
初段の部…優勝・準優勝

【出場団体:無外流居合道連盟】

■寶祥会
■心伝会
■陽山会
■不動智古武道の会
■頌寶塾