2008初夏 山形合宿

■1日目■


3年ぶりの山形での合宿。
福島に集合してバスに乗り換え、山形県村山市の居合神社に向かいます。出出しは天気が悪かったのですが、東北道で雨雲を抜けました。

到着早々境内にある振武館で稽古です。
本日は無外流の他に、全日本剣道連盟の制定形を学びます。
今回は、全剣連の制定形を創られた塩川先生に直接ご指導頂けるということで、皆が押しかけたので大幅に定員オーバーです。う~ん、ここは60名にはちょっと狭いかもしれません。
この制定形を創った先生方のうち、塩川先生以外は既に他界されており、今回の稽古は本当に貴重な体験となりました。

 

塩川先生の動きを心と身体に刻み付けて…。
  稽古の後のお楽しみと言えば、温泉&宴会ですが
今回の合宿は、お祝いを兼ねています。

この春の叙勲で塩川先生が『旭日単光章』を受章されました!
公共に対する高い功績―スポーツ振興功労―を挙げたことによるものです。

飛行兵として戦争を生き抜き、戦後間も無く郷里下関に帰った先生は『武道を通し、世界に通る強い日本人を育てて、次の時代を担う立派な後輩・青少年を育成する事を生涯の仕事にしたい』と誓い、今日まで60年近くその道を歩んで来られました。
こうして言葉にしてしまうと容易に一括りになってしまいますが、もちろん、非凡な人生であったことと思います。
私達がいま手にしている重い果実が、塩川先生のような先達の大変な艱難と修練が育てた大樹に実るものであることを忘れてはならないのです。


明日は審査ですね。頑張って!
宴会の後、部屋で二次会。いつも思いますが、これの為に合宿に来ている人、居ませんか?もう寝ている人も…静かにしてあげて下さい。 同じ頃、部屋の外では時ならぬ稽古が始まり、こちらはこの後、先生方もいらっしゃって、盛り上がりました。
■2日目■


翌日、二日酔いの人も居ますが、バスで居合神社へ。
審査を受ける人は振武館で稽古をし、その他の人達は、よく晴れたので神前で稽古です。
いよいよ審査です。頌寶塾からの受審者は弐段を受ける彼1人。 残りの塾生全員が見守る中、更に今日は塩川先生も御覧になっていますから、ひとしお緊張したことでしょう。さて、結果は…鬼のダメ出しがあったようですが、宗家のご判断でまとまりました。
合格おめでとう!

最後に、無外流居合兵道の免許皆伝伝授式が神前で行われました。

内容が沢山で、駆け足の二日間でした。
次にこの土地を踏むのはいつになるでしょうか。
集合写真に、新しい顔がたくさん増え、塩川先生の笑顔もそこにありますように。

 

ー山形の新聞記事からー

弟子達に模範を示しながら指導する無外流第15代宗家・塩川寶祥さん=村山市・居合振武館

居合道発祥の地 剣士60人が合宿(村山)

 無外流居合道連盟の合宿が31、1日の2日間、村山市林崎の居合振武館で行われ、関東、東北を中心とする60人の剣士たちが、第15代宗家・塩川寶祥さん(82)=山口県下関市=の指導を受けるとともに、師範2人に皆伝免許が授与された。
 無外流は抜刀の速さなど実戦に即した流派とされ、塩川さんの普及指導もあり、欧州各国や米国を含めて多数の門弟を擁している。居合道の始祖・林崎勘助重信を祭る村山市の日本一社居合神社には、同連盟が2005年に塩川さんの顕彰碑を建立している。
 今回の合宿は、3年ぶりとなる居合道発祥の地での開催で、塩川さんも元気に刀を振って門弟たちを指導した。皆伝免許は今回の安藤陽太郎さん(埼玉)と小林和之さん(東京)を含めて計5人となり、居合神社での厳かな授与式で塩川さんが自ら目録を伝授した。