2010春 久喜講習会

2010春 久喜講習会

本年度第1回目、無外流居合道連盟の講習会は、久喜道場にて行なわれました。
当日は、うっすらとスギ花粉の混ざった強い北風が吹きすさぶ晴天。道場からは雪を頂く富士山も日光男体山もよく見えます。肌に刺さるような寒さでしたが、道場内は熱気に満ちています。
まずは、宗家の指導で表之形を通します。講習会の冒頭にいつもやるのですが、これが講習会のメインではないでしょうか。同流同門とはいえ、普段は別々の団体に属しています。こうして年に何回か一堂に会し、宗家から直接、同じ指導を受けるということは、いろいろな意味でとても重要です。

表之形の後、クラス別に指導を受けます。


弐段以上は引き続き、宗家から指導を受けました。
弐段ともなれば、各々の道場で初心者に基本的なことを教えるような場面もあります。宗家からは基本を守って教えることが大切であるというお話がありました。我流に陥ったり、まだそのような腕前でもないのに達人の動きの真似をして出来たような気になって慢心し、基本を正確に伝承することを疎かにするような事があってはならない、というような主旨でした。
私達は、それぞれ考え方も身体的な特徴も異なります。同じ指導を受けても、各々受け取り方が微妙に違っている筈です。ですが共通の一つの伝統を、可能な限り正確に次に伝えてゆかなければなりません。 高段位者は、個人的な技術の向上だけではなく、意識の持ち方にも責任が有るということを自覚しなければならないのです。

今回は、三級から参段までの審査がありました。 全員合格です。 審査の後、その場で、宗家から直接、批評を受けた人達が居ました。とても幸せなことだと思います。本人の体に染み付いている癖のような動きについてだったので、直すのが難しい部分ですが、頑張って、稽古の時の課題にして下さい。


講習会を終えて

希伴
私が武術に志したのは志学の時で、文武両道を標榜する高校へ入学し、三年間剣道を学びました。卒業後は機会に恵まれず、幾星霜何もせずに過ぎて、居合を始めたのは64歳と8ヶ月の正月からです。そして従心を迎えてから9ヶ月経った今回の講習会昇段審査となりました。此処に至るまで満6年、赤児から育てて下さった諸先生方並びに兄弟子や事務局の方々に感謝します。
晩学と雖も武術修行の夢止み難し。少年の夢いつまでも。
少年老い易く 学成り難し
一寸の光陰 軽んずるべからず
未だ覚めず 池塘春草の夢
階前の梧葉 すでに秋声

平成二十八年八月十七日永眠 享年七十七歳 合掌