鹿島合宿

 さて、今年もいろいろとありましたが、頌寶塾の平成十八年を締めくくる行事は、恒例の鹿島合宿です。一年を振り返るのにふさわしい、静かな小春日和になりました。
 
 神武天皇紀元元年の創立と伝えられる鹿島神宮は、日本でも有数の古い神社のひとつです。ご祭神は武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)。神代に国土平定をなされ、やがて武道神として崇められるようになりました。
 
 今回は初めて神宮武徳殿での稽古を行いました。武道に志す者達の血と汗がしみ込んだ木の道場は、一歩踏み込むと居住まいを正したくなるような霊気に満ちていました。
 日ごろ冷暖房&シャワー完備などという所でばかり稽古をしていると快適さに慣れてなまってしまいます。
 でも『稽古』というのは少なくとも『快適なもの』とは違います。たまにはこうして凛乎としたものを体に呼び起こさなければ。

■ 壱日目 ■


武徳殿玄関
鮮やかな紅葉が
まだ残っていました
■ 壱日目と弐日目の間にある異空間 ■
「オトーサンいい声だな~」(聞き入るふりをしてうっすらと居眠りをかますのもコレ社会人たる者のたしなみ)
『兄弟船』を漕いでいるあたりです。
■ 弐日目 ■

「いや~二日酔いだよ。昨夜あれからどうしたっけ?」
「ワタシにもわかりません」ボソボソ…
翌日は今年最後の試斬です。
自分の中の悪しきもは断ち切り、善きものは整えて、新しい年に備えます。

前晩まで手塩に掛けた巻き藁
撮影準備OKです!みなさんどんどん斬って下さい!

抜き打ちの横一文字斬り。巻き藁は固定せずに台の上に載せてあるだけですが、下部分は小揺るぎもしません。
今回が試斬初挑戦の二人ですが、良く斬れていました。
■ 〆 ■

 いつも寄らせてもらっている参道の蕎麦屋さん。おススメは『むかしもりそば』(常陸秋蕎麦使用)。
写真だとわかりづらいのですが余裕で二人前はあります。
麺は細めでのどごしがよく、つゆは甘めですが、なんといっても直径二〇センチ近い巨大なかき揚げ(ねぎ・サツマイモ・かぼちゃ・しいたけ他野菜と桜海老。衣薄めの具ざくざく)が美味しい。


師走の夕暮れは早い。
参道の灯篭に静かに灯がともる。
また来年参ります。

写真提供:ジュリー、青菊